エムドゲイン再生療法
(歯周組織再生療法)
エムドゲイン再生療法とは
骨を再生させる治療
エムドゲインは歯周病によって溶かされた骨(歯槽骨・しそうこつ)を再生させる薬です。
上の写真はCTで撮影した、骨が溶けている様子を表した画像です。
エムドゲイン再生療法は、歯の表面の汚れを取り除いてから、溶けた骨の部分にエムドゲインゲルを入れることによって骨を再生させる方法となります。
骨は再生するのに時間がかかりるため、溶けてしまった骨の周りの歯石や膿の袋を取り出しても、骨が再生する前に歯茎や汚れが入り込んでしまい、骨が再生するための隙間がなくなってしまいます。
そこでエムドゲインを用いることで、余分なものが入り込む前に骨を再生させることができます。
このエムドゲインゲルの主成分である「エナメルマトリックスデリバティブ」は、子どもの頃の歯が生えてくる際に重要なタンパク質の一種でできています。
再生できる骨の形について
骨が垂直的に溶けていて、周りに骨の壁が残っている場合
※骨が水平的に横に溶けている場合は骨を作ることはできません。
あなたに最適な治療法を
ご提案いたします
歯周組織再生治療には様々なメリットがありますが、決して万能ではありません。また、歯周病の進行状態により、有効な治療法は変わります。
当院では、事前に精密な検査を行い、一人ひとりの患者さんのお口の状態に合わせた治療計画をご提案しております。
歯周病でお悩みの方は、まずは一度当院へお問い合わせください。
エムドゲイン再生療法の
メリット・デメリット
エムドゲイン再生療法の
メリット
歯周病の抑制・再発リスクの
低減
歯周病により失われた歯周組織(歯槽骨や歯根膜など)を再生させることで、適切な歯磨きがしやすくなり、プラークや歯石が溜まりにくい状態をつくることができます。これにより歯周病の進行を抑え、再発のリスクを低減することが可能です。
エムドゲイン再生療法の
デメリット
溶けてしまったすべての骨が戻るわけではない
エムドゲイン再生療法を行なったからといって、すべての骨が再生できるわけではありません。骨が溶けてしまった部分にエムドゲインを入れて、50~90%の骨が再生できます。また、再生可能な量は個人によって異なります。
全体的に下がっている骨は再生できない
エムドゲイン再生療法が行えるのは、周りの骨は残っているが部分的に骨が無くなっている場合です。全体的に骨が無くなっている場合や、歯の根の先まで骨が溶けている場合は行うことができません。
歯茎が下がってしまう場合がある
エムドゲイン再生療法は、外科的に歯茎を開いて中の汚れを取ってから薬を入れます。そのため骨は出来ますが歯茎は下がってしまう場合があります。しかし、歯周ポケットが浅くなるため、歯茎が下がることは決して悪いことばかりではありません。
糖尿病や骨粗しょう症などの方には適用できない
エムドゲイン再生療法は外科的な処置のため、重度の糖尿病の方や骨粗鬆症の薬を長期間服用されている方は行うことができません。これらの方は感染リスクが高く、行なったとしても歯茎や骨が再生しなくなってしまいます。
喫煙している方は効果がほとんど得られない
エムドゲイン再生療法は骨や歯茎が早期に再生させるための薬です。喫煙されている方の歯茎はニコチンによって歯茎の毛細血管が収縮し、再生能力が無くなっています。そのため、再生療法を行ったとしても成功する確率は低くなってしまいます。
治療後メインテナンスを怠ると戻ってしまう
骨が溶けてしまった原因は歯周病の進行です。そのため、骨が再生してもそのままにしてしまうと元に戻ってしまいます。同じ症状を繰り返さないように定期的に専門的なクリーニングなどのケアを受け、健全な状態を維持するようにしていくことが重要です。
決して諦めないでください
治せる可能性を一緒に
模索します
再生療法「エムドゲイン再生療法の」にもデメリットはあり、対応できないケースもございます。しかし、当院では、歯周病の専門ドクターが在籍してますので、他院で断れた場合でも治せる可能性もございます。
歯周病でお悩みの方は、まずは一度当院へお問い合わせください。
再生療法の治療の流れ
- 歯周病の検査
- まず歯周病の状態を確認します。歯周ポケット検査、歯の揺れ、レントゲン、写真、細菌検査等を行い、しっかりと現状を把握してから進めていきます。
- セルフケアの指導
- 歯周病の原因である歯周病菌をご自身で取れるように、正しい歯ブラシやデンタルフロスの仕方についてお伝えします。再生療法を行なっても、毎日の適切なケアができていないとすぐに元の状態に戻ってしまいます。歯の周りの細菌が20%以下まで取れるようにしていく必要があります。
- 歯石の除去
- 外科的な処置をせずに取れる歯石はすべて取っておきます。歯石には歯周病菌が入り込んでいたり、歯茎の腫れの原因にもなります。また、腫れや細菌が残っていると再生療法の成功率が下がってしまうため、しっかりと歯石を除去します。
- 再検査
- 歯ブラシや歯石の除去によって細菌数の減少や腫れが引いたかを確認します。このときに改善を確認できるまでは再生療法を行うことができません。
- CTによる精査
- CTレントゲンで3次元的な骨の吸収状態を確認します。どの位置のどのくらいの骨の吸収があるのかを確認します。その際エムドゲインだけで再生させるのか、骨の移植や人工骨も一緒に使って再生させるのかについても検討します。
- エムドゲイン再生療法
- 麻酔を施してから、歯茎を開いて歯の周りに付いている汚れや歯石をキレイに取り除きます。汚れが少しでも残っているとそこから再発したり、骨の再生の妨げとなるため、注意深くキレイにしていきます。その後エムドゲインの薬を入れて、縫合します。
- 消毒・抜糸
- 消毒は翌日、2、3日後、一週間後とできるだけ短い間隔で行うようにします。抜糸までは歯ブラシが当てられないため、歯医者で汚れを取ってもらいます。10日~14日くらいで抜糸を行います。
- 再検査
- 2、3ヶ月くらいで再生した状態の再検査を行います。歯周ポケット検査やレントゲン検査等を行い、骨がどのくらい再生したかを確認します。
- メインテナンス
- 最初は月一回程度でメインテナンスを行います。半年から一年程度行なっていき、安定してきたら徐々に間隔を広げていきます。ただし、間が空いてしまうと元に戻ってしまう可能性があるので、メインテナンスは絶対に欠かせないものです。
当院では治療後においても、定期的なメインテナンスを通じて責任を持ってサポートをしております。一緒にお口の健康を守っていきましょう。