歯周病除菌治療について
歯周病除菌治療(FMD)とは
FMD(Full Mouth Disinfection)は直訳すると「口腔内全ての細菌を取り除く」という意味で、抗生剤を用いた歯周病の治療法です。抗生剤の作用期間中に1回の処置で、口腔内全ての歯石や歯周病原菌を取り除き、再感染を防ぐ除菌治療を行うことで歯周病の改善を図ります。
従来の歯周病治療と比べ、治りが早い、歯茎が下がりにくい、キレイに治癒しやすい、再発しにくいといった特徴があります。
こんなお悩みの方
- 歯茎から出血する
- 歯茎が腫れている
- 口臭が気になる
- 歯茎が下がってきた
- 歯がグラグラ動く
FMDは従来の治療よりも
- 治りが早い
- 歯茎が下がりにくい
- キレイに治る
- 再発しにくい
FMD治療を行うことで
歯周病除菌治療(FMD)をすることで、上の治療前後の比較写真の通り、 およそ1ヶ月程度で歯肉の腫れや出血がなくなりました。
まずは細菌検査を
受けてみませんか?
歯周病は細菌による感染症です。そのため原因を除去をするには、歯周病原菌の特定と細菌量を把握することが必要となります。
以前は、細菌の状態を顕微鏡で確認することしかできませんでしたが、現在は細菌の遺伝子を増幅して数える検査方法で、細菌の種類や数などを詳細に調べることが可能となりました。
以下の表のような一定基準以上の歯周病原菌が存在する場合、完治をめざすにはFMDが有効です。
原因菌 | 閾値 |
---|---|
P.g.菌 | 0.1~1% |
A.a.菌 | 0.01~0.1% |
T.f.菌 | 2.5~5% |
T.d.菌 | 2.5~5% |
口の中にいる歯周病菌とは?
非常に種類が多数で、多くの方の口内に潜んでいます
歯周病菌は、ほとんどの人の口の中に共通して存在している口腔常在菌です。
歯周病も感染症の一種なのですが、もともと口の中に住んでいるこの細菌が量的あるいは質的に変化したり、からだの抵抗力が低下したりした時に発病する点が、一般の感染症とは異なります。
この歯周病菌は非常に種類が多く、約300種類にものぼるといわれています。
レッドコンプレックス
それら細菌の中で主原因とされるのは、レッドコンプレックスと呼ばれる以下3種類です。
P.g.菌(Prophyromonas gingivalis)
T.f.菌 (Tannerella fosythia)
T.d.菌(Treponema denticola)
専門医による治療が不可欠です
これらはさまざまな接着分子を細胞表面に持っており、歯ぐきや口腔粘膜に付着します。細菌からは歯を取り巻く歯周組織を破壊する毒素が産生され、重症になれば、やがて歯を脱落させてしまいます。
また、歯周病に一度かかると容易には進行が止まらず、歯みがきのような自己管理だけでは不十分なため、専門医による根本的な治療が必要となります。
近年では、これらの歯周病菌が肺炎や心内膜炎を起こしたり、狭心症などの虚血性心疾患の原因になることも分かってきています。
主な歯周病の原因菌について
P.g.菌
進行した成人性歯周炎、広汎性歯周炎から検出されます。
歯肉の炎症の程度と、歯肉縁下プラークに占める P.g.菌の比率との間に相関関係があることが分かっています。
歯周炎になっていない部位からは、ほとんど検出されません。また、口臭の原因となるのもこのP.g.菌です。
T.d.菌
歯周炎の歯肉縁下プラークからよく検出される、らせん状の運動性細菌です。
T.d.菌は、歯周炎の活動性、重症度と関連しているとの報告があります。
また、この菌が正常な免疫を抑制してしまい、歯周炎の治癒を妨害しているという報告もあります。治療された患者さんで、スピロヘータ(らせん状の単細胞の細菌)の割合が高いと再発率が高いというデータもあります。
T.f.菌
歯周組織の破壊の強い部位で高率に検出され、深在性で活動性の歯周炎の病巣でよく見られます。 難治性歯周炎の指標となる菌です。
A.a.菌
若年性歯周炎の病巣からよく検出され、病原性・毒性が高く、内毒素をもつ菌だと言えます。(細菌の細胞壁の構成の違いによるものです)
FMDの流れ
1.細菌検査と資料どり
細菌検査、歯周ポケットの検査、レントゲン撮影、噛み合わせの確認(歯の模型の作製)等を行います。
※検査の結果が出るのが約10日~2週間ほどかかります
2.細菌検査の結果の説明
検査の結果について丁寧にご説明させていただき、FMDを行う日時を決めましょう。
3.自宅でのうがい
ご自宅ではEPIOS CAREウォーターを使って、うがいをしていただきます。
EPIOS CAREウォーターはタンパク除去と除菌の2つの機能をもっており、バイフォルム・プラークを分解・ 洗浄したあとに殺菌力が増す歯科機能水です。
血液中にある、免疫成分の次亜塩素酸 (HCLO-)という成分と同じ機能を持っています。
EPIOS CAREウォーターの特徴
1.殺菌作用
2.バイオフィルム分解作用
3.人体に無害
4.殺菌による消臭効果
4.抗生剤の服用
錠剤のお薬をFMD当日の3日前から、1日1回2錠を服用していただきます。
服用の仕方や注意事項などにつきましても、事前にきちんとご説明させていただきますので、ご安心ください。
5.FMD当日
事前に麻酔を施し、痛みにも十分に配慮をしながら治療を行います。
器具(超音波スケーラー、キュレット)を使い、歯石を除去します。
2~3時間かけて徹底的に歯石とプラークを除去していきます。
6.歯ブラシを全て交換
今まで使っていた歯ブラシには、それまでの菌が付着していますので、新しい歯ブラシに交換してご使用いただきます。
7.8日目から抗生剤メイアクト
この期間のプラークコントロール(細菌の抑制)が非常に重要となります。
当院で行う消毒(P-sp)や歯のクリーニング(PMTC)を受けていただき、ご自宅での正しい歯ブラシをしっかりと行なっていただきます。
私たちもしっかりとサポートいたします。
8.半年後、細菌検査と資料どり
再度検査を行い、半年前の情報と比較しながらお口の中の状態の変化を一緒に確認していきます。
半年経つと、かなり口腔内が改善されます
FMDの注意事項
● 喫煙される方には、喫煙をやめていただくようお願いをしております。
● 症状によっては歯肉が下がり、見た目が悪くなる場合があります。
● 歯周ポケットが深い方は、FMD後に歯周外科が必要になる場合があります。
● FMD後に知覚過敏になる場合がありますが、しばらくするとおさまります。
● 家庭内で箸等の共有はお控えください※特に治療中は注意してください。感染することがあります。
ご理解とご納得を頂いてから
治療を進めてまいります
当院では丁寧な説明を重視しております。最適な治療法をご提案させていただくとともに、ご説明の際には治療内容だけでなく、メリットやデメリットにつきましても事前にしっかりとお話ししております。
どうぞまずは一度当院へお問い合わせください。お悩みの解消のために、全力でお応えいたします。